槇原さとる先生の「おいしい関係」に出てくる料理と魅力とは? | グルメマンガ飯を料理して食べたい!
槇原さとる先生の「おいしい関係」の藤原百恵とは
『藤原百恵』は裕福な家庭で両親からの愛情をたっぷり浴びて育ったお嬢様です。
グルメな父親の影響でしっかりと味のわかる舌を持っているのですが、自分では全く何も料理が出来ません。
突然の父の死で自活しなければいけなくなった百恵は就職先を探しますが、その時に選んだのがコック見習いの仕事でした。
百恵は、とにかく明るくてまっすぐな性格です。
相手の気持ちを知りたいと常に思っていて、その人の良い感情も悪い感情も自分のことのように感じてしまい、とても喜んだり悲しんだりしてしまいます。
そして周囲の人からの助言も素直に受け入れて吸収していきます。
辛い目に遭っても、思い通りに行かなくても、一生懸命に考えて前向きに進んでいく、そんなところが藤原百恵の魅力なんです。
槇原さとる先生の「おいしい関係」の料理は2パターン
おいしい関係に出て来る料理は2パターンあり、1つは天才コック達が作る上等なフランス料理や洋食です。
そしてもう1つは心がこもっていて工夫されている手料理で、ドーナツだったり、付け合わせのサラダだったりします。
おいしい関係に出て来る料理は具体的な材料や作り方が出て来ることは少ないですが、食べることの大切さや食材の安全性に対するこだわりなど自然に感じられ、自分の食生活を反省するきっかけにもなります。
「サラダのトマトだけは譲れない」
と、自分で高価なトマトを買って来て、勝手にお店のサラダに出してしまったり、お嬢様育ちだからというだけでは納得出来ない乱暴な部分も出てきますが、「料理」と「食材」を大切にする気持ちが伝わります。
槇原さとる先生の「おいしい関係」の魅力とは
この作品の魅力は、登場人物の設定がしっかりしていて、全員が愛しいキャラクターになっているところです。
どんな脇役の登場人物にもしっかりと愛情を込めて描かれているので、どの人も憎めないし嫌いになれず、どこかで共感してしまいます。
『藤原百恵』の恋のライバルとして登場する『今村可南子』は憎まれ役のはずなんですが、この人も「人間らしくて共感が出来る」と人気のキャラクターなんです。
槇村さとる先生の描く人物、特に女性は本当に魅力的で、どの人も思い悩んで苦しみながらも自分なりの答えを出して、まっすぐに生きています。
なので年齢を重ねるほど、ドンドン魅力的な女性になっているので、おいしい関係の中で1番魅力的なのは最年長の『織田千代』です。
「戦時中の配給制のお米のまずさの惨めさから、自分の食べるものは自分で選ぼうと、日本中を歩き回って誠実な農家と契約した」というエピソードからも、強く潔く決断力がある性格がよくわかります。
おそらく『織田千代』は槇村さとる先生が目指す女性なのではないかと思います。
槇村さとる先生の作品の登場人物が魅力的なのは、ほんの少ししか登場しないキャラクターでも、しっかりと愛情をかけて描かれていて、女性キャラクターに関しては全員に少しずつ、槇村さとる先生の考え方や生き方が投影されているからなんでしょうね。
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