吉田戦車先生といえば、シュールギャグ漫画の先駆け的存在。
不条理すぎてイミわかんないんだけど、そこが魅力です(語りつくせてない)。
で、このビックスピリッツ連載中(2017年現在)の新しい作品「おかゆネコ」。
エッセイかと思ったら、なんと料理漫画なんですね。新境地。
”おかゆネコ”という謎の生命体を想像していたら、けっこうマジメなグルメ漫画なので
今までの路線からすると、完全に別世界・・・いや、シュール度は変わってないんだけど
テーマが”おかゆの掘り下げ”なのです。
【私、ファンのわりに吉田戦車先生のコト何も知らない】
ファンといっても漫画を全制覇したわけではなく、代表作を愛読、という感じで
やはりまずは「伝染るんです。」から入り、「学活!つやつや担任」、「殴るぞ」
「ぷりぷり県」あたりの王道を通ってきたのですが、
吉田戦車という作家さんのことを、実は何も存じ上げていないんですね。
まず本名も非公開。
1963年生まれの御年53歳(岩手県生まれ)というところまでしかわかりません。
しりあがり寿さんや蛭子能収さんみたいな雰囲気を想像していますが、
まったく掴めない。しかし、第37回文藝春秋漫画賞や
第19回手塚治虫文化賞短編賞を受賞されているすごいお方なのです。
絵本や文筆のほうもご活躍中。そして、そこへきての「おかゆネコ」。
「おかゆネコって何(笑)」とタイトル時点でツッコミの嵐が起きますが、
作者さんはじつは大のオカユ好きで知られているのです。
【しゃべる猫「ツブ」が主人公のためにオカユを作る】
上の1コマだけでもういろいろとカオス(笑)大好きです。
主人公は菊川八郎、1人暮らしのサラリーマンです。
そこへ喋るネコの”ツブ”が乗り込んできて、おかゆのイロハを教えるんです。
彼女のいない男ヤモメなので、八郎は栄養失調気味。
そんな彼に・・・
こう言い放つ猫のツブ。ちなみにツブはご飯粒の粒に由来します。
素材の何と何が相性がいいだとか、栄養面だとか、いろいろ口うるさいツブですが
あまりのおかゆ知識に八郎は、ツブに友情みたいなものを感じるようになるのです。
(キッチンに立つ猫の後ろ姿はシュールだけど)
ツブを通じて新しい出逢いを果たす八郎。ツブのほかにも喋るネコが存在し、
その飼い主と悩みを共有するなどしながら、絶品おかゆを極めていくお話。
書いてて意味わかんなくなってきました(笑)
ノリは完全に吉田戦車なんだけど、プラスのグルメ要素が斬新な漫画。
おかゆ=病人食って思い込みだったけど、この漫画を読んでいると
無性におかゆが食べたくなってくるのです。おすすめ。
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