ショートケーキの苺。真っ白な中の紅一点的存在です。
私は宝石か何かだと思って育ってきたので、
貧乏性もあいまって、最後までとっておくタイプでしたが
最近は気分によって、最初にフォークで刺して食べちゃうことも。
このご時世、いつ何が起きるか分からないので、平和のうちに
ショートケーキの上の宝石を”いの一番”に食べたい日もあるんです。
【みんな、いつ食べてるんだろう?意識したことなかった】
漫画『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』(おおひなた ごう氏作)2巻の
お題「ショートケーキの苺 いつ食べる?」について。
ちょっとロマンチックで詩的な回だと思ったのは私だけでしょうか。
![](http://xn--mckh2lla3c9b0535j.net/wp-content/uploads/2017/04/ichigo.jpg)
「俺にとって苺は 特別だった」と回想する主人公ジロー。
苺ケーキを少しずつ崩して食べ、苺が倒れるギリギリまで
持たせる・・・すごく分かりますこの感覚。
まるで砂山に立てた木の枝のように、最後まで取っておきたいキモチ。
そして、この苺を食べてしまうことで、幼き日の一家団欒タイムが
終焉を迎えてしまう悲しみ・・・。そして、彼女「みふゆ」ちゃんも
「自分と同じ苺の残し方をしていたから、信頼できた」のだそう。
食べ方の共感度=信頼度、というジローちゃんの視点が
いかにも食マンガでステキ。しかし、ジローちゃんはみふゆちゃんに
愛想をつかされており音信不通状態となってしまっています。
【食べ物のコダワリが強すぎて危機を迎える恋】
マンガ第1巻で、ジローちゃんは
食べ方へのコダワリにより、何度もみふゆちゃんとの危機を迎えています。
たしかに「食べ方はこうでなければ!」みたいなのが強すぎる人は
暮らし全般において自分流を貫く傾向がありそうで、一緒に居づらいかも?
ジローちゃんの所属する着ぐるみバイトにも腰が入らず、
いろいろとうまくいかないジローちゃん・・・切ない。
![](http://xn--mckh2lla3c9b0535j.net/wp-content/uploads/2017/04/koudousan.jpg)
そしてふたたび着ぐるみ職場の上司(松田優作風)から
素晴らしい格言を頂いたジローちゃんは、いてもたってもいられず、
ショートケーキを買ってみふゆに逢いにいくんです。メロドラマ的展開。
2人は仲良く苺ショートを食べますが、
みふゆちゃんの”苺ショートの苺を最後まで残す理由”は
ジローちゃんとはまったく別のモノだったのです。というのも、
みふゆちゃんは実は生クリームの甘さがニガテで、
三角形の苺ショートのお尻の部分の生クリームの重なりを
苺の酸っぱさで緩和する、という理由だったのです(!)。
予想もしなかった意外な理由に、ジローちゃんは自嘲の笑い。
そんなジローちゃんを優しく見つめるみふゆちゃん、
ショートに苺が3個乗って出てくるお店にジローちゃんを連れだし、
「いつ食べるか悩む必要ないでしょ?」と諭すのでした。
みふゆちゃん、なんていいカノジョさんなんでしょうか。
食に対して気難しめ(?)なジローちゃんを大きな愛で包容しています。
この二人は食べ方のことでケンカしながらも、末永く続いて欲しい。
![](http://xn--mckh2lla3c9b0535j.net/wp-content/uploads/2017/04/short.jpg)
作者さんいわく、この漫画に登場する苺ショートは、
あくまでも三角ショートケーキを指し、それ以外の形状の
(丸や四角、苺以外の何かが乗ったもの)ものは除外するとのこと。
たしかに苺ショートといえば三角がいいなぁ。なぜでしょうね。
あの三角形には何か見えない魔力が備わってるんでしょうか^^
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