市川ジュン先生の『懐古的洋食事情』とは
市川ジュン先生の『懐古的洋食時事情』は、先生の代表作である『陽の末裔(ひのまつえい)』の番外編で、本編に登場する脇役の登場人物や本編には登場しないゆかりのある人物を主役に、明治・大正・昭和の食文化やブームを題材にした読み切りマンガです。
本編の『陽の末裔』は内容も難しく人間関係などもとても重いお話なのですが、『懐古的洋食事情』は明るく軽快なムードのお話になっています。
市川ジュン先生の『懐古的洋食事情』の登場人物
『懐古的洋食事情』は『陽の末裔』の番外編なのですが、主人公の卯乃と咲久子は登場しません。
一話完結の中に、恋愛や結婚・女性の進出・それぞれの時代のブーム・そして食に関するエピソードが入っています。
上流階級のお嬢様が一般庶民と結婚して、市場の方々や近所の奥様に料理を一から教えて貰ったり、公爵様が爵位を捨てて優秀なお手伝いさんと駆け落ちしてしまったり、どの登場人物も人間的な魅力にあふれていて、バイタリティあふれるキャラクターです。
前向きで自由な考え方の人ばかりなので「この時代に本当にこんな人が居たのかな?」と想像してみるのも楽しいんです。
『懐古的洋食事情』に登場するのは架空の人物がほとんどなのですが、時々「この人のモデルはもしかしたら、あの人なのかな?」と思い当たる事があり、隠れキャラを発見した時のように嬉しくなるので、そんな楽しみ方もおすすめです。
市川ジュン先生の『懐古的洋食事情』の主人公は?
『懐古的洋食事情』には、すべてのエピソードに登場するような主人公的な存在は居ません。
全編を読み終えて感じるのは、深草家の人々と画家の九門京也かな?と感じるんです。
深草家の人々は本編ではあまり登場しないのですが『懐古的洋食事情』では、咲久子の夫・深草公之の兄や弟妹、親戚の人達も登場しています。
九門京也の母親だと思われる九門月絵と言う画家が登場していますし、本編にはなかった九門京也の最期も詳しく描かれているので、市川ジュン先生は深草家の人々と九門京也を秘かな主人公に設定されていたのではないでしょうか?
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