”食う側”でなく”食われる側、飼育される側”
グルメ漫画のくくりではないのですが(笑)、
とある孤児院が、子供を食料として出荷しちゃう漫画です。
2018年の”このマンガがすごい”オトコ編第一位に輝いた「約束のネバーランド」。
ヒトがヒトを食うようなカニバリズム的なものではなくて、
相手は巨大で知能を持つ”食人鬼”。
さいきん、バケモノが人間を捕食対象とする漫画って増えた気がしますね。
人間って、生物ヒエラルキーの頂点に立ってるので(道具を使えば強い)、
おごり高ぶってる感じはありますよね。なので、その戒め的な漫画が
多いんだと思います。
私もたまに考えたりします。
「人間より強い生命体が現れたら、人間はどうやって戦うのかな?」と。
人間はいつも”食う側”であり、”食われる側”に回ることなど想像もしませんが、
家畜のように飼育され出荷される・・・と考えると生きた心地がしない。
ですが、今我々が食べてるモノって、そういう恐怖の末に食卓に上ります。
人間の原罪って、ここにあるんだと思いますね。
「進撃の巨人」や「亜人」「食料人類」など、
人間より強い種族が襲ってくる系マンガ。
読んでてあまりいい気持ちはしないけど、いろんな気づきをくれます。
賢い子供の脳ほど大きくて美味らしい・・・!
「約束のネバーランド」に出てくる、人間を美味しくいただく鬼。
進撃の巨人みたいな単純な生物ではなく、言語を操り、知能も高いんです。
鬼は鬼同士で強大なコミュニティーを築いていて、並の子供では太刀打ちできない。
ですが、主人公のエマ(11歳・女の子)と切れ者の男の子2人は、
孤児院の塀の外に出て、鬼と対峙することを決意。
この3人は成績が優秀なので、<美味しい脳を持つ上等な食糧>として、
今まで出荷されずに生きてこられました。ですが、鬼の中でも上位の者が
熟成された脳を狙っている・・・「早く逃げなきゃ」。
3人は、得体のしれない塀の外へ脱出する計画を立てます。
しかし、孤児院の子供の多くはまだ幼児で、全員を連れて逃げるのが難しい。
それでもエマは心優しいので、置いてけぼりの子供を作らないと誓います。
ちなみに、孤児たちを出荷しているのは、孤児院のやさしいシスターでした。
めちゃくちゃ怖いです。美味しく子供たちを出荷させるために、
シスターは心を砕いて食事を作ったり、勉強させたりしていたのでした。
信頼していた相手に出荷されるとか・・・
養豚場のコブタさんの気持ちが分かるような気がしますね。
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