我が家には昔からハイジのレコードが置いてあります(宝物)。
おじいさんの向こうには煙突のある赤い屋根の山小屋のおうち、
食卓に並ぶのはヤギのミルクやチーズ、パン、そして、
木のボウルに入った特大のサラダ&木の取り分け皿&木杓子。
もうこれが、子供心にめちゃくちゃ憧れだったんですよ。
で、私、子供の頃母親に頼んだ覚えがあります。
「サラダを、陶器のお皿でなく、木の器に盛って欲しい」と。
母親は子供の必死のお願いを一笑に付しました。悲しかったですね・・・。
日本には昔から木のまな板はあったものの、木のお皿のイメージがなく、
「なぜ丸いお皿がないんだろう?」とフシギでした。
今思うと「日本の湿気の多さに耐えられないのかな」とか
「現代だと電子レンジでチンできないかも」などといろいろ考えます。
日本だと曲げわっぱ(竹製)などが円形の器として有名ですが
竹は湿気に強くて丈夫だからなんでしょうね。
あと、日本の食事はお魚が主体で細長い主食の器が多かった筈。
ワンプレートご飯という文化もなかった気がするので、
そのあたりも「丸いお皿が少ない原因かな」と感じています。
(そもそも「サラダボウル」というものがなく小鉢文化だった)
北海道などのハイジを思わせる寒い地域なら、木の器もふつうにみられますが
なにせ、本州中ほどで育った私には、
ハイジのような北欧系の器に長年目がなかったんです。
そしてついに木製のお皿を入手すべく、とある雑貨屋さんを訪れると・・・
「ニオイが付きやすいのでこまめにケアしてください」
アカシアなどのサラダボウルがズラリと並んでおり、
「ついにこの日が来た・・・!」とウキウキで手に取ったら、
”ニオイが残りやすいです”みたいな注意書きが目に留まりました。
「ああ・・・そういう盲点もあったのか」と、陶器のメリットを思い出す私。
陶器は冷ややか、木製はぬくもり。そんなイメージしか抱いていなかったので
デメリットなど見えていなかったのです・・・。
もちろん丁寧にケアすればOKなのでしょうが、私には30年くらい早いかな、と
そっと雑貨屋さんを後にしたのでした。ですが、いまだに木製プレート類を見ると
ハイジのチーズやパン、サラダが乗ったテーブルの光景が目に浮かびます。
いつになったらハイジスタイルの食事ができることやら・・・。
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